「神の子」の由来 1

キリスト教ユダヤ教伝来のメシア思想によって成立した宗教である。メシアとは(詳しくは検索で)、バビロン捕囚(BC6世紀)後亡国の民となったイスラエル民族が国家再興の悲願を込めて待望した「救世主」のことであり、預言者が抱いた終末的歴史観にその思想の起源がある。イエスの時代、メシア待望は民衆の間に高まっていた。おそらくイエスはメシアと目されていたであろう。が、十字架刑によってこの期待は裏切られた。ところがこれこそイエスがメシア(キリスト)であった証拠であると告白する群れが現れた。これが、イエス預言者にとどまらず、「神の子」とされた理由である。