権力に楯突く者

歴史のイエスは革命家である。もしかれが誰にでも口に出せるような「神の国」を宣伝していただけなら、権力によって抹殺されることはなかったはずである。イエスは、政治的・経済的・宗教的いずれにおいても権力を独占していたユダヤの神殿体制に挑んだに違いない。革命の内実はともあれ、イエスは権力に楯突く者であったから、権力に睨まれ潰されたと考えるのが妥当である。