史的イエス

エス=キリストという概念は歴史的背景をもって成立したものである。その背景の一つがユダヤ教伝来のメシア思想であることは述べたが(8/1)、もう一つは福音書に書かれたイエス=キリストの「個人史」である。それは単なる個人史ではないが、ナザレのイエスの行状(言動)が書かれている点で、紛れもなく「個人史」である。神学ではそれを「史的イエス」と呼んでいる。これこそイエス=キリストにリアリティーを与えている源泉である。