神を騙る

文化のなかに根付いている風習としての信仰は、自然に生える植物のようなもので、なかには毒をもったものや棘のあるものもあるが、概して自然なものである。これに対してキリスト教のような宗教は、神学を厳格に吟味する必要がある。その場合の必須条件は、前に述べたように、神学が「神についての人間的な語り」であるということである。この条件に基づかない神学は現代の神学としてはもはや無効である。それは神を語るのではなく、神を騙る。宗教の危険はそこにある。