宗教は一つ

宗教とは無なる普遍を志向する固有の文化である。文化はどれも固有である。なかでも宗教文化は歴史とあいまって、地域に生きる人間の生活様式から思考様式までを規定する。ヒンドゥー教の神が普遍であるわけではないように、キリスト教の神も普遍なわけではない。しかし諸宗教に普遍性が具わっているのは、それらが固有を超えた「無」を志向しているからである。その志向において宗教は一つである。それが普遍というものである。