畏敬と憧憬

一つの宗教が成り立っているのは、それが歴史と文化の中に息づいているからである。逆に言えば、歴史や文化は一つの宗教と深く関わっている。中東・アジアのイスラーム教や仏教、ヨーロッパのキリスト教、さらに限られた地域にはそこの宗教がある。それら一つ一つの宗教は固有である。しかしそれらが「宗教」という概念で括れるのは、根本に聖への畏敬(畏怖)あるいは美への憧憬が存するからである。それが宗教が一つであることの根本である。