原始教団で成立した贖罪死観

贖罪死観は原始エルサレム教団において成立したものである。使徒たちは師であるイエスの死を贖罪死として意味づけ理解することによって、宣教を始めたのである。パウロの書簡にはそのことを裏づける記事がある。(Ⅰコリント15:3-5)だがそのパウロでさえイエスの死を必ずしも贖罪死とは解釈していない。まして福音書の場合、贖罪ということを言うために、あれだけの物語を書く必要はなかったはずである。