失礼千万な話

ヨハネの断首にまつわるサロメの物語はつくり話である。しかも「偉人」の死としては情けない話である。「小娘」の我がままによって命果てるとは!それにこの話は、その残忍性も然りながら、それ以上に妖気のようなものを漂わせており、いかにも「物語的」である。要するにこれは、(イエスの処刑と同じように)処刑の歴史性を薄め、もっぱらヨハネ格下げを意図して編集された話である。ヨハネにとっては失礼千万な話である。