マルコの反発

マルコ福音書エルサレム教団に対する批判が強いと言われる。その理由は、ヘブル勢力と新参のギリシア勢力(ヘレニスト)の派閥争いということがあるかもしれないが、主にイエスをキリスト化する教団のケリュグマ主義、あるいはイエスの死を贖罪死に特化しようとする死の矮小化に対して、歴史(地上)のイエスを再認識(再評価)することを意図したからであろう。福音書が物語形式(散文)で書かれたのは、それに適した表現形式だったからである。