恣意的な意味づけ

バプテスマのヨハネがいかに重要な存在であるかということは、福音書すべてがその初めにヨハネを紹介していることからも分かる。ルカにいたってはイエスと並べて出生まで描いている。だがどれもマルコが記した「その方の履物のひもを解く値打もない」という句を踏襲して、ヨハネの地位を確定している。要するにマルコにおいてさえ、ヨハネの位置づけはイエスの先駆者というより、イエスの告知者である。しかしそれはヨハネの属性の一部しかもマルコの意図した極めて恣意的な意味づけである。