垣根を越える

『哲学的神学』の第4章は「キリスト教と仏教」である。小田垣はキリスト教と仏教をつぎのように評している。「バルト神学以降、われわれは神を主観−客観構図における対象として、つまり存在者として理解することはできない。そしてキリスト教と仏教とが通底しうるのはこの事情による。」(第4章)つまり主客構図からの脱却が、神学と哲学の垣根を越えたように、キリスト教と仏教の垣根も越えた、ということである。