不可逆の接触

「原事実」を神と人間との「第一義の接触」とすれば、これに基づいて現成する本来的な人間実存が「第二義の接触」だという。滝澤はこの二つの接触の関係は不可逆であるとしている。これに対して小田垣は「滝澤の『原事実』は無であるべきである」と言い、無であるはずの「原事実」を神と人間との接触というように分節するのは対象論理的思考ではないかと批判している。