信仰の源泉としての感動

信仰の根底に感動がある。これについては、神学者オットーによる説明が有名だ。かれは主著『聖なるもの』において、ヌーメンという概念でそれを言い表している。私は、前回それを音楽に対する感動を例として述べたが、自然もまた感動をもたらす。自然に対する感動あるいは畏れの感情が信仰心を育んできた。自然を神の被造物とみる考え方は一般的にもみられる。神の遍在をいう汎神論もそうだろう。キリスト教神学ではそれを創造論として扱うが、まず根本にあるのは、自然に対する感動だ。