言葉と音楽との同起源説

言葉は、お金のように目に見えるものにとどまらず、目に見えないものまで言い表すことができる。それにしても、人間はいつから神の概念(観念)を得たのだろうか? まえに宗教の源泉に感動があるということを述べたが、言葉そのものが感動から生まれたと考えることもできよう。ルソーは『言語起源論』で、「人間の最初の言語は自然の叫び声である」と述べているが、言葉の原形が音声であり、それが感動を伴って発せられたということは十分に想像できる。それがリズムを伴って使われたであろうことも容易に想像がつく。つまり言葉と音楽の始まりは同源なのである。