超人と神

超人もキリスト者も、ともに自己超越を契機とするが、超人は自己に頼み、キリスト者は神に頼む。もちろんフォイエルバッハのように、神に人間的本質をみるなら、神も自己に回収されるであろう。イエス=キリストが神と人との仲介者であるのは、たしかにそういう一面があるからである。だがそれゆえに神の実在は単なる虚構かといえば、それは違う。歴史や文化が説明できない(6/16)だけではない。私の実存の在り方が違ってくるのである。