跳躍の決断

パスカルデカルトのような神の存在証明は行わない。その代わりに神の実在/非在を「賭け」で問う。この賭けは勝てば儲け、負けても損はない。とはいえ負ければやはり虚しさは残るだろう。この空虚感こそ私たちの心理を支配するものである。しかしパスカルが言いたいのは、神を信ぜよということである。かれは各人がその主体を賭して神を信ずるよう決断を迫っているのである。それは此岸(ここ)から彼岸(あそこ)への跳躍である。「ここがロドス島だ、ここで跳べ!」