彼岸への跳躍

此岸から彼岸への跳躍といってもこの世からあの世への跳躍を意味するのではない。彼岸とは信仰を得た世界のこと。こちらの岸に立って世界を見るのではなく、向う岸に渡って、向う岸から逆にこの世界を見直してみるのである。別の譬えでいえば、自我という部屋の上座に神を迎え入れ、その客人(神)と対座(対話)するのである。それは此岸にいてはけっしてできない。向う岸に渡らなければならない。彼岸への跳躍とはそういうことである。