神の言葉によって生きる

向う岸の世界とは信仰を獲得した後の世界のことである。その世界を知るには向う岸に渡ってみなければわからない。神を自我の中に迎え入れ、対話できる環境に身を置いてみなければわからない。これを言葉の問題として言えば、此岸における言葉は記号であり、記号として機能するかぎり、保障されている。彼岸における言葉は最大限他者性をもった言葉、つまり神の言葉として信仰以外に保障のないものである。その言葉によって生きるのが信仰である。