預言者たちの系譜

聖書(ユダヤ教聖書=旧約)にみる反省的視点はとくに預言者たちによって担われている。かれらは共同体と神との間を取り持つ者たちである。共同体が神から離反する傾向にあるとき、預言者は神への復帰を説く。神からの離反とは神に対する罪を意味する。共同体は悔い改めて神のもとに立ち帰らなければならない。だが神に対する離反(罪)は共同体が滅びるまで止むことがない。だから預言者の叫びは止むことなく引き継がれていかざるを得ない。イエスもこの預言者たちの系譜に連なっている。このような性格こそ、ユダヤキリスト教を特徴づけている歴史性・社会性という特徴なのである。