科学による神の否定 2

ふつうには神の存在は非合理ゆえに否定される。科学の対象にも数学のゼロとか物理のブラック・ホールのような神秘的世界があるが、それが無なる普遍としての宗教に向かうわけではない。(もし向かえば科学ではなくなって、宗教の領域に踏み込むことになる。)しかし宗教は本質として無なる普遍としての神を志向する。科学にあって存在が否定される無は、宗教にあっては普遍的本質である。科学はこの無なる普遍については口出しできない。科学はこれを否定する能力を持たないのである。