史的イエス=信仰的イエス

ここまで述べてきたことを整理すると、非神話化的な解釈によって、イエス=キリストは処女降誕や数々の奇跡といった道具立てなしに成り立つこと(12/22)、非神話化による解釈は、聖書解釈の深化に役立つのであって、信仰の退化を招くようなことはないこと(12/23,26)を確認してきた。さらに福音書自体が贖罪死観批判となっていること(12/29-1/2)も確認した。そして史的イエスすなわち種々の史的属性をもったイエスが、その属性においてキリストであること(1/3)、言いかえれば史的イエスが信仰的イエスであることを確認してきた。