「一」とは何か

小田垣は「『一』と自己は不可分である」として、「自己を離れて『一』が何処かに対置された時、『一』は理念に転落する」と言う。(第3章)つまり「一」は、実体のようなものとして対象化されるものではなく、直接自己に根拠を置いている。もちろん根拠と言っても無-根拠である。よって小田垣によればそれは、宗教的には無-神論にならざるを得ない。